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16:ジステンパー Canine Distemper
総合病院ペットセンター名越 院長 名越公曠
General Hospital Pet Center Nagoshi president Kimihiro Nagoshi D.V.M.
----------冬に流行する犬のジステンパーについて----------
今回は寒い冬の時期に大流行する急性伝染病犬のジステンパーについてお話します。
大昔からある犬の伝染病ですが、他の動物にも感染します。
犬のジステンパー Canine Distemper
犬のジステンパーは犬、ラッコ(アライグマ)、フェレット(シロイタチ)、ミンク、スカンク、きつね、およびオオカミに感染するウィルスによる伝染病です。
症状は?
一般的な症状は、発熱、目や鼻から黄色や緑色の分泌物が出て、食欲が低下します。嘔吐、下痢、肺炎および中枢神経系の症状(てんかん発作、痴呆、筋肉のけいれん・麻痺)は、さらに悪化した時に見られます。
足のパッド(趾)がとても硬くなったり厚くなったりするので、ジステンパーは別名ハードパッドと呼ばれます。
診断は?
診断は分泌物のウイルス粒子に対する特別のテストを行うか、神経症状を顕わした動物では、抗体が脳脊髄液で見つかるかもしれませんが、(ウイルス粒子は発病した動物で必ずしも見つかるとは限りません。)通常は臨床症状で判断します。
治療法は?
犬のジステンパーの治療は、抗ウイルス剤、血清療法を行う事もありますが、通常は対処療法すなわち発現している症状の緩和を行います。
ウイルスが攻撃した後の呼吸器および消化器官の細菌による2次感染症がほとんどの場合起こります。抗生物質はこれらの治療のため使用されます。
しかし、それは根本的なウィルス感染を治療するものではありません。点滴は脱水するか、大量に嘔吐、下痢をしている動物に使用されます。抗ケイレン剤は、神経症状の発作がある動物に使用されます。
このような集中的な治療・看護にもかかわらず、ジステンパーを発病した動物の中には回復しないものもいます。
進行する神経症状(次第に悪化する発作、麻痺)は特に危険な指標です。神経的な症状の緩和は一般的にあまり成功しません。
このようなケースでは例え回復しても、一生涯脳の障害を持つものもいます。
予防法は?
犬のジステンパーの予防は唯一ワクチン接種によって可能です。
子犬は生後6週令(45日令)の時期に1回目の予防注射を受けて、子犬が生後16週目(4ヶ月令)に達するまで、3〜4週の間隔で何度も予防注射を受けるべきです。
さらに毎年ブースター・ワクチン(追加接種)は必ず受けるべきです。
なぜワクチンを何回も打つの?
これは、子犬は生まれてすぐお母さんのお乳からもらう初乳(出産後48時間以内に出る黄色く濃いお乳)この中に免疫物質(移行抗体)が含まれていて、伝染病から身を守ります。
この移行抗体は生後6週令(45日令)ぐらいから消失し始めます。この移行抗体が残っている期間は、ワクチンを接種しても免疫が出来にくいと言う矛盾する事実があります。
したがって、生後2ヶ月頃はワクチンも効き難く、伝染病にも罹りやすいという免疫力がない空白の時間となります。お母さんからの免疫が弱まる生後2ヶ月頃から2〜3週間の間隔をおいて、複数回接種することでこの危険な空白の時間を少しでも減らし、伝染病から身を守ります。
さらにワクチンの効果をより高めるために、最終的には移行抗体が完全に無くなる生後3ヶ月以上を過ぎてから、新たに2回のワクチン接種〔ブースター効果〕を行うのが理想的です。
ワクチンの効果は1年程度で低下しますので、伝染病から身を守るためには、大人になっても必ず1年毎の再接種が必要です。
結論
ジステンパーはワクチンによって予防できます。この死亡率の高い病気からペットを守るためには、動物病院に行ってワクチンを接種してもらうことが重要です。
ほとんどの混合ワクチンにはジステンパーウィルスに対するワクチンが含まれています。初年に数回(3〜5回)接種した後は、一年に一回の追加接種を行います。
母親の免疫の無くなった後の生後3ヶ月以降に2回以上接種している事が重要です。また、回虫などの寄生虫を事前に駆除しておかないと強い免疫は出来ません。
イヌのジステンパーについてのご質問・お問い合わせなどございましたら、お気軽にどうぞ。
E-Mail:
generalhospital@petcenter.co.jp
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