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69:皮膚病・アレルギー性皮膚炎・アトピー
  Skin disease・Allergic dermatitis/atopy



総合病院ペットセンター名越 院長 名越公曠
General Hospital Pet Center Nagoshi president Kimihiro Nagoshi D.V.M.

ペットに多い皮膚病には、様々な原因がありますが、第1回細菌性皮膚炎〔膿皮症〕、第2回皮膚真菌症、第3回アレルギー性皮膚炎、第4回寄生虫性皮膚炎、第5回ホルモン性皮膚炎などごく一般的な皮膚病のみ取り上げてこの順番でお届け致します。

それでは、ペットオーナーのための皮膚病講座、第3回目の始まりー始まりー。

アレルギー性皮膚炎・アトピーの皮膚病

ペットのアレルギーは人間のアレルギーと同様です。アレルギーは体のどの部分が反応するかによって、様々な症状が出ます。鼻のむずむずとか涙がでる、くしゃみ、消化障害、皮膚疾患とか色々です。

◇その原因は?
アレルギーとなる物質アレルゲン、アンチゲンによる体の過敏反応です。古草熱、季節的アレルギーの最も一般的な原因は花粉とかび〔真菌〕です。多くのイヌやネコがノミのだ液にアレルギーを起します。わずか数匹のノミがもうれつな痒みを起します。
そうかと思うと、それこそ数百匹もノミがいるのに、アレルギーを起さず少しも痒がらないものもいます。

化学物質も犬にアレルギーを起します。例えば石けん、ワックス、じゅうたん、ノミ取り首輪等でこれは接触アレルギーとして知られる遇敏反応のタイプです。
金物アレルギーは下痢や皮虜炎を起す原因となります。

飼主は自分のペットが以前アレルギーを起こした事がないからと診断に対してよく疑問を持つ事がありますが、ペットも人も、どの年令になっても全く突然にアレルギーを発症することがあるという事を知っておいて下さい。

◇その症状は?
犬のアレルギー皮虜炎の主症状は痒みです。とにかく良く痒がります。患部は発赤し、湿っぽい斑状となります。細菌感染が起ると膿が出てかさぶたが見られます。

イヌ・ネコはそこをなめたり、引っかいたりします。そうやって自分で傷をひどくして治療がやりにくくなる事があります。病変部の皮膚は次第に脱落してゆきます。

ノミアレルギー皮虜炎は背中からしっぽにかけてが最も多く、花粉やかびのアレルギー皮膚炎は顔面と四肢に多いようです。接触アレルギーは特に毛のうすい部分や毛の生えていない部分に最も多く見られ、それはあご、わき、肘、腹部、足の裏、陰部等です。
ノミ取り首輪のアレルギーでは首の周り、ノミ取り首輪の触れていた部分で痒みが起こります。この理由から当院ではあまりノミ取り首輪をお薦めしておりません。

◇獣医師はどのようにして診断するか
病歴、特に季節、時期による症状の変化が診断の目安となります。病変、痒みの部位もアレルギーのタイプを決定するのに重要です。治療に対する反応もイヌのアレルギー診断上大切な方法です。

皮内テスト法によるアレルギー原因の決定法も今や多くの獣医師が採用しています。

これは極く少量のアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を皮内に注射し、その注射部位が赤く腫脹したら(陽性反応)です。

ペットはその物質に対しアレルギーだと判断します。しかし中にはこれらのテストには全く陽性反応を示さないのにアレルギー皮虜炎にかかるものもいます。皮内テストはすべての例で行うものではなく、他の色々な診断法や治療がうまくいかなった例で行うことが多いです。

◇アレルギーの治療は
アレルギーの大半は治療可能であり、又コントロール可能です。コルチコステロイドの注射を獣医師は初期のひどい痒みによく使用します。これで犬が自分でなめたり、傷つけるのを止めさせる事が出来ます。

ペットは時には数ヵ月このコルチコステロイドの内服を指示により与えられ、徐々に量を減らして止めるよう指示されるでしょう。この薬の投与の際はそのイヌ・ネコに対して効果のある最も少ない量を維持量として与えることです。

この薬を無暗と又、長期服用すると悪い結果を招くことがあります。ただし飼い主が投薬できない場合は、週1回注射に通うことも出来ます。他にもペットのアレルギーで使用される薬としては抗ヒスタミン剤とトランキライザー(精神安定剤)です。

ただしこれらの薬だけ与えても、皮膚アレルギーが治るというものではありません。
二次感染〔化膿〕がある場合には、その治療も併せて行う必要があります。接触感染では原因となる物質を取り除くためにシャンプー〔ダーマルシャンプー・リンス〕をすることも必要です。

ノミアレルギーではペットについているノミとペットの周りにいるノミ(卵、幼虫等)の駆除が必要です。(次回 寄生虫性皮膚病の治療の際に詳しく説明します)

過敏反応を取り除く(減感作)方法もアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を注射で極く少量から始め、約5ヶ月間くらいかけて徐々に量を増やしていきます。
そうするとペットの体にアレルギーを起こす物質に対する抗体が蓄積されていきます。減感作療法はとても時間がかかり、時には効果をあらわさないこともあります。

アレルギーが季節的に出るものでは注射を毎年繰り返す必要がありますが、適応する症例では実に効果的な治療法です。ノミアレルギーに対してはこのためのアレルゲンがあり、良い結果が得られています。

アレルギー皮膚炎で治療がうまく反応しなかったり、また獣医師にみせたときすでにひどく進行しているものでは、さらに特別な治療、手術、レントゲン照射、直接患部へのコルチコステロイドの注射等、様々な治療が行われることもあります。

前回の【真菌症】と違い、アレルギー皮膚炎はさらに治療に時間がかかります。根気良く治す事と同時にアレルギーを起こさせない事が大切です。


「皮膚病治療薬」はこちらのページです。
http://www.rakuten.co.jp/petcenter/427682/427684/


第3回・アレルギー皮膚炎についてのご質問・お問い合わせなどございましたら、お気軽にどうぞ。
E-Mail:generalhospital@petcenter.co.jp
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