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Case02:骨粗しょう症から気管虚脱症の治療成功例



▲X線写真・気管の蛇行状変形


▲電子内視鏡・気管の扁平化


▲電子内視鏡・気管支の炎症


種類:日本犬M
年齢:13才
性別:♂
食事:肉、米、味噌汁、ドライフード(メーカー不明)

1年半前から、他院にて治療。喘息、老衰といわれ、通院、投薬を続けるが益々悪化して、1日中咳が出るようになった。当院の患者さんの紹介で来院された。
来院したときのこの日本犬は、気の毒なぐらいずっと咳き込んでいました。
レントゲンを撮るときも苦しそうで、チアノーゼ(舌が紫色になる酸素不足の症状)を起こし、酸素吸入のため、I.C.U.(集中治療室)に収容しなければならないぐらいでした。X線検査の結果、胸の入り口の部分で、気管が蛇行して、その上に黒い固まりがあるのが発見されました。これは何かの腫瘍が気管を圧迫しているのかと思われました。電子内視鏡での検査の結果は、これを真っ向から否定するものでした。気管は胸の奥のほぼ全域に渡って、扁平になっており、内視鏡からアームを出して圧迫すると、簡単にへこんでしまう柔らかいものでした。腫瘍の可能性はこれで無くなりました。
気管全領域に及ぶ重度の気管虚脱だったのです。
もちろん他院での喘息という診断は誤診でした。
その他、心電図、血液、エコー、神経学検査での結果は、長期間不適切な食事を与えつづけられた、不幸な状態が出ていました。
脂肪肝、鬱血性心不全、高脂血漿、骨粗しょう症、肝機能障害、高血糖症、等など。
まさに、老犬病のオンパレード状態でした。
これらは全て、今までの不適切な食事が原因で、特にカルシウム・ビタミン不足の為骨粗しょう症になり、その結果気管の軟骨がもろくなり、それが気管を閉塞、変形させたのでした。
間違っても決して【老衰】などではありませんので、もし、獣医師から「このイヌは老衰です。」などと言われても。その根拠を示すようも求める事です。私は今まで、20才以上の老犬を数多く診てきていますが、彼らのほとんどは、検査をしてもどこも悪いところが無いんです。
検査で悪いところが出るのは病気です。何度も言いますが、老衰のイヌは、どこも特別悪いところがないが、段々に足腰が萎えてきて、目も耳も不自由になり、体も少しずつ小さくなってきて、最後は眠る時間が多くなってきて、永眠します。
「もう年だから。」と言って面倒な治療を避ける獣医師が多いのには、困ったものです。




▲治療後


すべての検査の結果を飼主に私は説明しました。飼主さんは、13年間信用して通いつづけた病院に対して怒りをあらわにしましたが、この病気の原因は飼主の与えつづけた不適切な食事にあることを、時間をかけて私は説明しました。そうしてやっと怒りの気持ちから、自分のしてきたことへの反省の気持ちが芽生え、治療に同意してくれたのです。
この日本犬はそれから2週間入院して、その間レーザーメスによる広範囲気管矯正手術と心臓病、肝臓病、骨粗しょう症などの治療を受け、元気で退院しました。
退院時の写真が右にありますが、気管虚脱の為しばらく吠えることが出来なかったからでしょうか。手術後は以前にまして吠えまくっていました。
余程元気になったのがうれしかったんでしょう。
よかったね。また吠えられるようになって。

キーポイント: 検査は誤診の元 ?
私たちもX線検査だけでは誤診していたかもしれない。設備の整っていない病院を一概に責めるわけにもいかない。
要は安易な診断を下さないこと。

アドバイス: ペットのために医者を変える。
病院によっては、専門外の病気もあるので、経過が思わしくないときは思いきって病院をかえてみるのもいいでしょう。


骨粗しょう症から気管虚脱症の治療成功例についての
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